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A Happy Computer Life !!!双極性障害者 Chromebookの伝道師、MicrosoftOfficeとLibreOffice初心者、Starionのブログ

Chromebook、ChromeboxなどGoogle製品フェチです。PCからガジェットまで幅広く取り上げます。キーボードは英文Unix配列にこだわってます。仕事でMicrosoftAccessに深く関わってます。またLinuxの世界にもどっぷり片足を突っ込んでます。

就労支援事業所でのカリキュラムについて、その3(自閉的傾向のある人の場合)

障害

 就労支援事業所の目的は社会復帰そのものが目的です。そのためのカリキュラムとしてどこでもあるのがSSTではないかと思います。SSTとはSocial Skill Trainningの略で社会適応訓練とも日本語では言います。例えばオフィスマナーや電話の応対、職場で席に座る時の席次などについても学びます。私は社会経験があったので特段SSTに関してあまり深い印象がないのが感想です。しかし利用者の中で特異な言動を見せる人がいました。

 彼は高校を卒業してすぐに入所したのです。普通でしたら高卒ならその時点で就職するなり進学するはずです。なのに就労移行支援事業所に入るなんて、高校の進路指導はどうなってるんだろうと不思議に思ってました。

 あるときです、講義を進めていくうちに最後の方にさしかかり、質疑応答の時間になりました。すると彼は積極的に質問をし始めたのです。非常に活発でした。ただ質問の内容が妙でした。講義の内容よりも「〜の言い方はどういう意味ですか」というような質問を乱発?するのです。答える方もかなり労力を要していました。またあるとき、企業の人事担当の方による講義がありました。その企業はソフトウェア開発をする会社でした。講義の終盤質疑応答の時間となりました。彼から「高卒で入社できますか?」という質問が。講師は「ソフトウェア開発の専門学校を卒業することが要件です」という答えでした。彼は講師の会社に応募する資格はなかったのです。普通でしたらここで「自分には資格はないんだな」であとは黙っているはずですが、彼の的はずれな質問の嵐は止まることがありませんでした。たぶん講師の方も困惑したと思います。

 またある時同じグループで学習した時、やはり彼の質問攻めが始まりました。非常に活発に一人で質問を繰り返してました。質問する/答える、の繰り返しでしたのでさぞ彼の理解は深まっただろうと思ったのです。それでグループリーダーが彼に対して、グループ内のまとめを書いてくれと依頼したのです。そうしたら彼はなんと答えたか「全体を把握することが出来ないので書類が書けない」一瞬耳を疑う言葉でしたが、それが彼の障害を象徴している言葉でもありました。

 彼は自閉的な傾向を持っていたのです。一般に自閉的傾向(よく「自閉症」といいますがそれは医学用語であり、医師以外が使う言葉としては「自閉的傾向」というのが正しいです)というと、視線が合わなくて言葉がでなくてコミュニケーションが取れないことを指してます。しかし彼もやはり自閉なのです。何か疑問に思うと質問という言葉の嵐を浴びせますが、聴きとった言葉の内容が頭のなかでポツンポツンと点在しているだけで、有機的に結びついて概念を形成するようなことが出来ないのです。だから文章にまとめることも出来ない。

 一般に二人の人が会話をするシーンを思い浮かべてみてください。会話は言葉のキャッチボールです。二人の間でボールを投げ合います。それがうまく出来ないのが自閉です。彼の場合は一度にたくさんのボールを乱発して受け止めるほうが困っても投げ続けるのです。まるでピッチングマシーンで暴投をするが如く、これはたまったものではありません。

 知らない人が見たら「あいつは質問をすごくするけどなにもわかってない」と誤解されても仕方がないと思います。口が災いする、極論を言えば実習に行っていちばん失敗しやすいタイプだと思います。一番困るのは本人にその自覚が全く無いことで、今日も指導員を悩ませ続けていることです。